寺沢大介の『将太の寿司』は1992年から1997年まで週刊少年マガジンで連載され、全214話・27巻で完結しました。北海道小樽で寿司屋を営む家の息子・関口将太が、父の店が苦しくなったのを機に東京へ出て修業を始める物語です。
この漫画が料理漫画の原型としばしば呼ばれるのは、寿司という狭い題材の中で勝負の構造を最後まで押し通したからです。握る力、シャリの温度、酢の配合、魚を寝かせる時間といった目に見えにくい変数が勝敗の根拠になり、審査員が一貫を食べてなぜ勝ったのかを説明します。素材を仕入れる過程や産地の人々の事情も一編ずつ入るため、話が店の中だけで回るわけでもありません。
韓国でも古くから料理漫画の代表作として読まれ、完全版も出ています。実際の寿司の技術を学ぶ本ではありませんが、何を見ながら食べるのかを教える入門書の役割は十分に果たします。



