日露戦争から生きて帰った杉元佐一は、北海道で砂金を採って暮らしています。戦地で銃弾を受けても死ななかったので不死身と呼ばれ、いま金が要るのは、死んだ戦友の妻が視力を失いかけているからです。
物語の起点は、酔った男がこぼした話です。アイヌから奪った金塊がどこかに隠されていて、その在り処は脱獄囚二十四人の体に分けて彫られた刺青が示している。刺青を全部そろえて初めて地図になります。
この設定の上に三つの勢力が乗ります。杉元とアイヌの少女アシㇼパ、陸軍第七師団の鶴見中尉、そして新選組副長だった土方歳三です。誰も完全な悪役ではなく、誰も安全ではないので、同行者が数話で敵に変わることが何度も起こります。
この作品を特別にしているのは取材量です。アイヌの狩りの手順、料理、言葉、道具が、物語の進行と同じ重さで描かれます。監修を受けて描かれた部分が多く、アイヌ語の台詞には意味が添えられます。銃撃戦の合間に登場人物が車座になって穴熊を調理する場面がまるごと入り、そこが最も引用される箇所です。
連載は2014年8月21日にヤングジャンプで始まり、2022年4月28日の314話で完結、単行本は31巻です。第9回マンガ大賞と第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。アニメ第1期は2018年4月9日から全12話で、制作はジェノスタジオです。
読む前にひとつだけ。この漫画は真面目な歴史劇と露骨なコメディを同じページに混ぜます。その落差に慣れないと最初の数巻は戸惑いますが、それがこの作品のやり方です。



