遥か未来の地球は分厚い雲に覆われ、陽が差しません。植物が枯れ、酸素も薄くなりました。人類がたどり着いた手段は、人を植物に変える技術です。植物になった人は、わずかながら酸素をつくり出します。作中ではこの施術を転花と呼び、英語版はtransflorationと訳しています。

フールナイト 単行本表紙
単行本の表紙、AniList

神谷トーシローは崖っぷちにいます。母は病気で、彼の稼ぎでは薬代を払うのがやっとで、食事にまで手が回りません。追い詰められたトーシローは、体を差し出す代わりに金を受け取る転花を本気で考え始めます。VIZの紹介文は、彼の前にある選択を、家族を救うか自分を救うかとまとめています。

物語は、施術を受けたトーシローがやがて霊花になるまでの日々を追います。霊花は転花を受けた人が最後に行き着く姿で、英語版はspirifloraと表記します。国立転花院には、どこの部署にも属さない通称「ナシ課」があります。課長の平岸ジンは、トーシローに霊花の声を聞く力があると知り、特例臨時職員として採用します。

作者の安田佳澄は兵庫県出身です。第76回小学館新人コミック大賞の青年部門で入選したのち、漫画アプリで『電波青年』を初連載し、『フールナイト』で広く知られるようになりました。ビッグコミックスペリオールでの連載は2020年に始まり、単行本は2026年6月30日に13巻が出ています。2023年のJapan Expo Awardsで最優秀サスペンス賞を受け、フランスのアングレーム国際漫画祭にもノミネートされました。小学館の作品紹介ページには、『惡の華』の押見修造が「その筆力に嫉妬した」と寄せた推薦コメントが載っています。

アニメは11月26日にNetflixで世界独占配信され、全話が同じ日に公開されます。ガンダムシリーズのサンライズと〈物語〉シリーズのシャフトが初めてタッグを組み、トーシロー役は内山昂輝です。8月21日にはティザーPV第2弾とともに、榎木淳弥、遠藤綾、水内清光の出演が発表されました。

VIZ Mediaの英語版は9月15日に10巻が出ました。10巻では蓬莱ヨミコがクダイ博士の指示を受け、トーシローに転花を施した研究者を探して寺へ向かいます。韓国語版はソミメディアが『풀 나이트』のタイトルで2024年4月17日に1巻を刊行しています。

神谷トーシロー キャラクター画像
転花を考える神谷トーシロー、AniList
蓬莱ヨミコ キャラクター画像
蓬莱ヨミコ、AniList
叶野沙絵子 キャラクター画像
アキラのボディーガードを務める元軍人、叶野沙絵子、AniList
八束アキラ キャラクター画像
第四転花院人事部副部長の八束アキラ、AniList