吾峠呼世晴の『鬼滅の刃』は2016年2月15日に週刊少年ジャンプで連載を始め、2020年5月18日の第207話で完結しました。単行本は23巻、連載期間は4年3か月です。同じ雑誌の長期連載と比べれば短いほうですが、この作品はその長さの中で序盤に置いたものをほぼ回収して閉じます。
炭を売る家の長男・竈門炭治郎が山から下りると家族は殺されており、妹の禰豆子だけが鬼になって生き残っていました。炭治郎は禰豆子を人に戻す方法を探すため鬼殺隊に入ります。呼吸という剣術の体系、階級のはっきりした組織、そして鬼の側にも一つずつ事情を与える構成がこの作品の枠組みです。斬った相手にも最後に人だった頃を映す場面が繰り返され、その反復がアクションの速度を落とさずに情を積み上げます。
大正時代の日本が舞台なので、衣装と街並みが作品の印象を大きく決めます。その印象がアニメーションと劇場版に引き継がれ、原作を後から手に取る読者が生まれ続けました。23巻なら完結まで読み通せる分量で、今から始めても待つものはありません。



