『メイドインアビス』はつくしあきひとさんが原作も作画も一人で手がけている漫画です。2012年10月20日に竹書房のウェブ漫画サイトで連載を始め、現在は同じ出版社の「竹コミ!」で続いています。舞台は誰も底にたどり着いていない巨大な縦穴「アビス」で、そこへ下りて遺物を持ち帰る人々は探窟家と呼ばれます。主人公は探窟家だった母を探して下を目指す少女リコと、穴の中で見つかった記憶のないロボットの少年レグです。絵柄は絵本に近い一方で、身体の損傷や子どもが負う痛みを省かずに描く場面があり、絵から受ける印象だけで選ぶと戸惑うかもしれません。
物語を支えているのは「アビスの呪い」というルール一つです。この穴は下りるぶんには何も起きず、上がろうとしたときだけ体に負荷がかかります。浅い層ではめまいや吐き気で済みますが、深い層から上がろうとすれば代償はずっと大きくなります。ある地点を越えると引き返すという選択肢そのものが消え、冒険譚がよく使う「家に帰る」という結末が最初から封じられています。この一方通行の構造が、作品の緊張のほとんどを作っています。
数字と記録を並べるとこうなります。2025年8月、14巻の発売に合わせて竹書房が出した発表によれば、シリーズ累計発行部数は2,200万部です。2023年4月10日に発表された第52回日本漫画家協会賞では、まんが王国とっとり賞を受賞しました。最新の15巻は2026年8月17日に電子版が先に出て、紙の単行本は8月26日に発売されます。英語版はSeven Seas Entertainment、フランス語版はOtotoが刊行しています。
アニメはキネマシトラス制作、小島正幸監督が一貫して手がけています。第1期は2017年7月7日から9月29日まで全13話、第2期『烈日の黄金郷』は2022年7月6日から9月28日まで全12話が放送されました。その間に2019年1月の総集編劇場版2本があり、新作の『劇場版 メイドインアビス 深き魂の黎明』は2020年1月17日に公開されています。2025年8月にはTVアニメの続編となる劇場シリーズが発表され、第1部『メイドインアビス 目覚める神秘』が2026年10月23日に公開されます。監督と制作会社は続投で、リコ・レグ・ナナチ・ファプタを演じる富田美憂さん、伊瀬茉莉也さん、井澤詩織さん、久野美咲さんも続けて出演します。
最新話は竹コミ!で読めますし、単行本は英語版がSeven Seas、フランス語版がOtotoから出ています。公開まで2か月なので、第2期までしか見ていない方は続きを原作で先に読んでおく手もあります。先に書いたとおり容赦のない場面は確かにあるので、それを承知のうえで下の層が気になるかどうかが分かれ目です。(2026年8月21日時点)


