チョ・グァンジンの『梨泰院クラス』(原題: 이태원 클라쓰)は、2016年12月27日にDaumウェブトゥーン(現カカオウェブトゥーン)で始まり、2018年に完結したウェブトゥーンです。カカオページでも同時に連載され、単行本は全8巻。主人公パク・セロイは、高校時代に財閥の御曹司のいじめに立ち向かって退学になり、父を亡くし、刑務所まで経験した人物です。出所後、梨泰院に「タンバム」という小さな居酒屋を開き、父の死に関わる外食大手・長家(チャンガ)とその会長チャン・デヒに正面から挑みます。天才だが共感能力のないマネージャー、チョ・イソが加わることで、復讐劇は起業の物語へと広がります。2026年3月のカカオエンターテインメント発表時点で、累計閲覧数は4.2億回です。
このウェブトゥーンを誰もが知る名前にしたのは、2020年1月31日から3月21日までJTBCで放送された全16話の金土ドラマです。脚本はチョ・グァンジン自身、演出はキム・ソンユン。パク・ソジュンがパク・セロイを、キム・ダミがチョ・イソを、ユ・ジェミョンがチャン・デヒを、クォン・ナラがオ・スアを演じました。最終回はニールセン・コリア全国基準で16.548%を記録し、JTBCドラマ史上5番目に高い視聴率を残しました。Netflixでの同時配信で海外の視聴者も増え、翌年の第15回ソウル国際ドラマアワードではミニシリーズ部門の優秀作品賞を受けています。
この作品が特別なのは、原作そのものが他の国で作り直され続けている点です。日本では舞台を六本木に移したローカライズ版ウェブトゥーン『六本木クラス』がピッコマで連載され、これを基にしたドラマが2022年7月7日から9月29日までテレビ朝日の木曜ドラマ枠で全13話放送されました。主演は竹内涼真です。2025年6月9日から30日には、東京建物Brillia HALLで世界初のミュージカルが上演されました。パク・セロイ役はWEST.の小瀧望、音楽は韓国系アメリカ人作曲家のヘレン・パーク。その後、大阪と愛知へツアーが続きました。
2026年にはニュースが二つ重なりました。3月21日、カカオページでスピンオフのウェブ小説『長家(チャンガ)』が始まりました。チョ・グァンジンがデビュー後に初めて書いたウェブ小説で、朝鮮戦争の時代を背景に、チャン・デヒが飢えの中を生き延びて長家を築くまでの青年期を描きます。7月31日には台湾版ドラマ『來!金來號!』(英題: Fired Up!)がHBO Maxで公開されました。日本版に続く2作目の海外リメイクで、全12話が毎週1話ずつ配信され、主演は歌手で俳優のエリック・チョウ(周興哲)です。韓国ドラマのシーズン2や韓国国内での新たな映像化は、2026年8月現在、確定した発表がありません。
原作はカカオウェブトゥーンとカカオページで1話から読め、英語版はTapasとYen Pressの単行本があります。ドラマを先に見た人でも、原作は最初から読むのがおすすめです。スピンオフ『長家』は、原作のチャン・デヒを知ってから読んでこそ面白さが生きます。(2026年8月21日時点)


