あだち充の『H2』は1992年7月29日に週刊少年サンデーで始まり、1999年11月24日の第338話で完結しました。単行本は34巻です。題名の二つの H は主人公・国見比呂と橘英雄の頭文字として読めますし、古賀春華と雨宮ひかりを加えた四人を指すとも読めます。
投手の比呂は肘がもたないと診断され、野球部のない高校へ進みます。その診断が誤りだったと分かるところから物語が動き出し、比呂はサッカー部が使うグラウンドの片隅に野球部を作り直します。試合の描写は淡白で台詞が少なく、決定的な場面ほど言葉が消えます。
この作者の作品がいつもそうであるように、野球と同じだけ大事なのは四人のあいだの距離です。誰も正確には言わないまま季節が三度過ぎ、それぞれがどこまで分かっていたのかは最後になってようやく整理されます。全34巻で完結し、アニメーションとドラマにもなりました。



